第11回〈暮らしの中の看取り〉準備講座@小金井


今回のテーマは「家族に迷惑をかけたくない」を少し深く考えてみよう

 

 

 

 

 

 

前回の ひとり暮らしでも「家で死にたい」は実現できる? に続いて、

自宅で療養して人生の最後の時間を過ごすこと、そのとき大切にしたいこと、

その時に誰かに手伝ってほしいこと、自分でしたいこと、

「迷惑をかけたくない」と考えてしまうこと、その時の家族側の気持ちなどを

みんなでじっくり考えてみました。

 

今回お申し込みいただいた100名のうち、6割は一般市民の方々でした。

オンライン(Zoom)で約60名、その他の方は、小金井市・武蔵野市・府中市内の

各サテライト会場からご参加いただきました。

 

この講座では、医療介護職も市民のみなさんと一緒に考え、

自分の人生の最後まで大切にしたいことは何なのか、

どのときをどう過ごしたいのかをイメージできること、

さらにできればそれを言葉にできること、を目的としています。

 

最初に、在宅緩和ケア医の大井裕子とグリーフサポーター/葬祭士の是枝つぐとより

看取りを少し幅のある時間ととらえて、その時間の過ごし方や誰かのお世話になることが

どんな風にやってくるのか、医療や介護サービスがどのようなときに利用できるのか、

ひとり暮らしでも自宅で死にたいがどうやって実現できているのか、

看取る側の家族はどんなきもちでいるのかなど、話題提供と解説をしたのち、

グループに分かれて一緒に考え、語る時間を持ちました。

 

各グループにはファシリテーターを配置して、このテーマをしっかりと語り合える様に工夫しています。

 

グループでの話し合いや、その後みなさんか感じたこと、

是非共有したいと思われることなどをアンケート自由記載からご紹介します。
(公開についての了解をいただいている内容です)

アンケート結果

・小金井での取り組みを他の地域でも紹介してほしい。
・知らない人、通常関わることないだろう人との話は、私の視野を広げてくれます。
・このような会の情報は、仕事をしているとなかなか知ることが出来ないので、訪問の方達などから積極的に教えていただけると、良いなと思います。
看取られる側、看取る側の両面から考えることで、自分が介護する側、される側になった時どうして欲しいか、どうしたいかが具体的に考えることができてよかったです。 個人、家族、環境、行政、いろんなものによってできることは千差万別ですが、 ケースをいろいろ知っておくのは判断材料になるし、いろんな人の話を聞くことは、自分のことを具体的に考えて行くきっかけになると思っているので良い機会でした。ありがとうございました。
・介護する側とされる側が、お互い迷惑をかけているかもと思い込まずに、話をすることはとても大切だと感じました。そして家族だけのコミュニティだけでなく、さまざまな人達の意見や考え方を聞くこと話すことも、大切な事だと感じました。
残される家族に、死は苦しいものだと思わせないようにしたい。自分の親を看取った時、ALSの親は自分の病気を最後まで受け入れることができず、苦しんでいて、その姿をみているのがつらかった。介護されるようになった時、例えばコーヒーが好きだからコーヒーを淹れて欲しいなど、してもらいたいことはちょっとしたことだったりする。
・イマドコの図は、今回も大変分かりやすく、勉強になりました。「いまはイマドコ3 の時期です」、などの説明ができるとのお話で、イマドコの図が進化していてすごいなと思いました。
・そのひとが大切にしたいこと、何について迷惑をかけたくないか、本当に個別性があるのだなと改めて実感した。一番に思い浮かぶのが人によって下の世話、経済面、身体介護面や、心理面を浮かべる方もおられた。 家族構成、家族のキャラクターもそれぞれなので、個別性のあるものだと感じた。
・ALSの親御様を看取られたお話、本当につい最近ご高齢の親御様を看取られた方のお話が、心に残りました。 看取りのなかで、辛い、苦しい思いをしているのを見ていて辛かった。自分が亡くなる時には家族に辛い思い、悲しい思いをできるだけさせたくないという思いが芽生えたとのお話で、本当にそうだよなぁと、身体的な介護負担だけでなく、心理面も考える大切さも思いました。
・要介護の時より、要支援の頃のほうが何かと介助に時間がかかり、介護がしんどかったという様なお話もあった。確かにそういう面もあるかも知れないと思いました。自立してできていたことが、日々できなくなっていく変化がある時、患者さんは残された能力で動きたい、そんな時期だからだろうかと想像しました。
・介護事業所を探すとき、「お話が好きなので、お話が好きな方のおられる事業所を」という風にケアマネさんにお話したという様なお話もあり、すごくいいなと思った。そのほうが、かえって探しやすい面もあるのではないかなと想像した。
・是枝先生の、おひとりさまの方の死亡届の話が大変参考になりました。将来に備えて、色々勉強したいなと思いました。
・下の世話をしてもらいたくないという思いは、自分も下の世話をしたくないと思っているのかもしれないという言葉にドキッとしました。確かに、もしかしたらパラドックスなのかもしれないと思いました。障がいを持たれている方々に関していわれている合理的配慮にも通じるものを感じました。そのひとにとって必要なケアを、普通に受けられる世の中になるといいなと思いました。
・お看取りとなられた親御様が、介護を受けていた際、ヘルパーさんなど介護をされる方々に対して、「すみません」ではなく、「ありがとう」と言われるのがいいところおっしゃっていたのが印象的でした。私もそれは本当に良いと思いましたし、自分も将来(今も、ですね)そうありたいと思いました。
まずは自分がどこで、どんな最期を迎えたいか、最期までやりたいことを具体的に考えることからだと理解しました。
お金の負担を強いる事だけは避けたい。お金は、自分でなんとか出来る対策だと思ってます。今からコツコツ貯めてます。
自分は、介護の為に仕事は辞めたくないなといつも思っています。鍵を預けて、自分が不在の時にサービス介入してもらっていたことや、その為に事前に、部屋に鍵をつけて、誰のせいでも、ないように事前に準備していた話しなど、とっても参考になりました。
小金井の在宅ケアにおいては、大井先生を初めとした皆様方の、大変な志と努力で、とても恵まれた状況にあるとのこと。大井先生ほかご尽力いただいている皆様に、感謝御礼申し上げます。同時に、それが、一部の志のある方々の献身に負うだけでなく、行政としても組織的にバックアップして、持続性のあるものにしていくことが、肝要だと感じます。
富山県にある「ものがたりのまち」の様な、お互い助け合える昔の長屋のようなかたちがあったらいいと意見が出ていました。身近にこのような施設があったらいいな、そこで働きたいなと思いました。
昔子供が小さい頃、武蔵野市に住んでおり、https://himawarimama.org/にすごくお世話になりました。その当時では介護と保育の合体したような施設 、企画などは小金井市でもあるのでしょうか。
フォーマルだけでは難しいので、インフォーマルサービスでどのように隙間を埋めるかの話が出て、つくば市の出している資料や、コミュニティバスの活用方法、公的サービス利用のコツなどを共有しました。
「家族への迷惑」は、下の世話など行為や身体的負担だけでなく、それぞれの今の生活リズムを変えさせたくないという、相手の人生を思う気持ちを考えている。
家族内でのコンセンサスを事前にとる重要性を改めて感じました。
もうすでに共有されているとは思うのですが、もっと広めた方がいいと思うのは「IMADOKO」です。いつか来るその日のために、いつでもその情報にアクセスできるようになっているとよいだろうな、と思いました。(実際に家族が余命宣告されたときに知りたかったのはその情報でした。) ということを踏まえると、「看取りについてのリーフレット」はよくできているなと思いましたし、相談できる場所があるのはよいなと思いました。自分が渦中にいたときこの情報があればよかったのに、と思いましたし、いま、この情報にアクセスできる小金井市民がうらやましいです。

今回初参加でしたが、参加してとてもよかったです。以前の回にも参加してればよかった、と思いました。 「亡くなっても、新陳代謝がなくなっただけで尊厳はある」という是枝さんのお話にハッとしました。私は絶対に自宅に置いておいて欲しい思いました。 もし余命宣告されたら、できることはすべて自分で行ってその日を迎えようと考えていましたが、家族には何もさせないと残された家族の看取りの満足度が下がると伺い、また、「今の気持ち」の選択肢の「人生最期は家族に甘えたい」を見て、最期くらいは家族を煩わせるのもいいかな、と思ったりしました。家族を巻き込んで一緒にその日を迎えるのもいいな、と。

イベント運営の皆様、有意義な講座の開催をありがとうございました。 皆さんのお話を聴いたりしているうちになんとなく自分の最期の時間のイメージができたりしたので、時間が多少押しても、「結」まで行けて、考える時間があったらよかったな、と思いました。

もうされているかもしれないのですが、もう少し、実際に自宅での看取りがイメージできるような内容の回があればよいなと思いました。ディスカッションのときに「(自宅で家族が看ると言っても)機械の操作とかできない」と言った声も聞いたように思いますし、私自身もあまり想像できないので。

そもそも『迷惑をかけるってどういうこと?』、『こっちは迷惑をかけると思っていても相手もそう思っているとは限らない』『規模やこうありたいはといった気持ちは変化するもの』などの意見が出て、サテライトの皆さんで『ですよね』ってなりました
参加者ご家族の看取りの時のお話しの中で、ホスピスへの入居待ちがあり希望の施設へ入居が叶わなかったと言う事がありました。母の入った施設でも入居待ちがあり、年単位でお待ちになっているとの説明でした。実際に施設見学に行き、母の状態を説明したところすぐに入居させていただけました。その時は単純に喜んで入居しましたが、それほど長い期間その施設で過ごす事なくお別れの時を迎えました。緊急性がある場合はきちんと対応していただけるのだな、と感じました。
IMADOKOのように状態の変化とともに、しておけばいいこと?何かするときのラストチャンスがわかっていれば、もっとできることがあったかもしれないという方がおられました。
在宅での介護や看取りには、家族だけではなく医療や福祉の手助けを受けられることが、とても重要だと思います。訪問医療・看護・介護の他に、小規模多機能や看護小規模多機能、ショートステイや福祉用具サービスなど、具体的に受けられるサービスについて、また次回知れると在宅で看る勇気がちょっとでももらえると思います。
家族に迷惑をかけたくないという思いとは対照的に、家族は困っているのならもっと頼って欲しい、ようやく頼ってくれたと感じることで、介護する側の満足度が上がることがある。
あの場に参加している人達は、意識は高い。そこに来れない人のために、何か話を聞いてあげられるような場所がもっとあったらいい
・グループワークの中で、自分はおひとりさまで、最近はコロナ禍を経て考えが少し変わり、何かと管理的ルールの多い病院より、家で自由に過ごして最期を迎えられるようなほうがいいのかなと考えるようになった。将来は頼りになる医療介護サービス事業所を探し、大井先生のような先生を探したい、と壮大な理想を語ったが、大井先生が最初にお話されたように、少子高齢化が進んでおり、医療介護人材も不足している中、そんな理想を叶えるのは今後さらに難しいのではないかと改めて危機感を感じました。 大井先生の言われたように、地域で最期を迎える・看取るにはどうしたらいいか、みんなが他人任せではいられない、本気で考えていかないといけないのだろうなと、改めて感じました。
先生や皆さまのお話、大変勇気づけられました。母がリハビリ病院入院中、脳卒中の後遺症で重度の意識障害、気管切開・吸引・経管栄養があるので、IMADOKO的にも難しい側面がありますが、コロナでまだ病院・施設だと面会制限もあり、自分も介護福祉士での勤務経験もあるので、期間限られても、在宅で見れたらと病院スタッフや包括とも相談し探っているところです。吸引等父は難しいので自分が覚え、看多機またはショートなど利用し少しでも見られたらと、可か不可かまだわかりませんが、考え動いているところなので、色々気持ちの面でも参考になることがありました。ありがとうございました。
今日の会合はこれまでより大きく前進したことを実感し、大変嬉しく思っております。感じたことをお伝えします。
まず第一は資料にあった川の流れの図です。これは、看取りのステージの見える化です。
これにより、看取りという概念(concept)の全体像が明確になりました。
しかもそれが視覚的に表現されたことは、看取りというコンセプトの社会的普及のための大きな前進と思いました。そして第2は、身体機能と看取りとの概念の区別をなされたことです。例えば”体力が低下”は身体機能で、今日の先生の講演のスライドでは、身体機能と別に看取りのステージを表す3つの名前がありました。これは素晴らしいことと思いました。ここで初めて看取りという概念が身体機能とは別に、新しい概念として操作的(operational)に規定されたことになったと感じました。
(先生の講演スライドにはその3っつの名前がありました。しかし小金井市の資料にはそれがついていません。ぜひ、それをおつけになることを僭越ながらお勧めします。)看取りという概念が、operational に定義される方向へ大きく進んだことに大きな喜びを持ちました。

参考資料:看取りのリーフレット *小金井市のホームページから見ることができます。

https://www.city.koganei.lg.jp/kenkofukuhsi/koreishafukushi/zaitakuiryoukaigoren/mitorileaflet.html?fbclid=IwAR0XZz9hpCxVdo3IuMHqNvhINzMygV9L-sryl8SeG8x4ZeW9V-MUT2iSsVw

参考資料:現状確認ツールIMADOKO

 

 

 

 

 

 

今回もサテライト会場のみなさまにはお世話になりました😊
そして、私のとなりでサポートしてくれた小園さん、グラレコを書いてくれたみかんさん、
各グループのファシリテーターを引き受けて下さったみなさま、ありがとうございました❤

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にじいろ薬局 (梶野町)
ゆっくりと、静かな場所で少人数で視聴したい方におすすめです。
手ぶらで14時前にお越し下さい。
定員4人ですのでご予約はお早めに。
ご予約は直接にじいろ薬局さんへ。
TEL 042-316-3795

Cafe5884 (桜町)
小金井公園の近く、玉川上水沿いの素敵なカフェです。
お茶とお菓子をご注文いただきご参加いただけます。
手ぶらでお越し下さい。定員8名ですのでご予約はお早めに。
ご予約はPeatixおよび直接Cafe5884さんへ。
TEL 042-387-1004

桜天然酵母パンびおりーの2階(本町)
JR武蔵小金井駅から徒歩5分、美味しいパンが並ぶショーケースが
目をひきます。
こちらの2階をお借りして、今回は定員4名で初めての参加です。
ご予約はPeatixおよび店主の果優さんに直接お願いいたします。
東京都小金井市本町1丁目20-2
電話:042-318-0509

クローバーホーム川上(前原町)
広い会場で密をさけてご参加いただけます。
14時前に手ぶらでお越し下さい。定員は10名です。
(wifiもご利用いただけます。)
お申し込みは直接こちらにお電話下さい。
TEL 042-385-4700

ikiなまちかど保健室みゅうちゅある
武蔵野市桜堤にある保健室です。定員4名です。
ゆっくりと、静かな場所で少人数で視聴したい方におすすめです。
手ぶらで14時前にお越し下さい。
TEL 0422-52-3111 へ直接お申し込み下さい。
不在時は留守電にメッセージを入れていただければ折り返しご連絡いたします。

府中サウス薬局(府中市宮町)
ご利用のみなさま、直接薬局にお申し込みください。
東京都府中市宮町1丁目40
電話: 042-366-1193

 

主催: NPO法人 くみサポ  ・   くみサポ@こがねい