第57回〈暮らしの中の看取り〉準備講座

=最期まで輝いて暮らすために=

看取りとは?

〜住み慣れた自宅で看取り、看取られることをイメージしてみる〜

 

2023.8.27 13:30〜15:30
会場:BIG FRONT広島5階 広島市総合福祉センター
ホリスアカデミーさんとの共催の〈暮らしの中の看取り〉準備講座@広島シリーズ第1弾

 

はじめに、緩和ケア医師の大井裕子(NPO法人くみサポ 共同代表理事)より
看取りにまつわるエピソードや、
約6割が人生の最期を迎えたい場所として自宅を望んでいても、6割の人がそれは無理だと考えており
約8割の方が病院で亡くなっている現実など、普段考えることがほとんどない看取りに関する話題を提供。

最期の時間をどのように過ごしたいか、
思いは人それぞれ
家族に迷惑はかけたくないけど、これだけはかなえて欲しい願いがあったり。
時間の経過や状況の変化で思いが変わる事もあります。

このような「本人の思いを聴く」ことを、くみサポは大切にしています。
全てを叶える事はできないかもしれないけれど、気持ちを理解してくれたり、
希望を叶えてくれる人
が身近にいると、どれほど心が救われるでしょうか。

また、訪問診療など、自分が住む地域で利用できるサービスについて調べておくと、
住み慣れた自宅で最期を迎える事も可能です。

その後、20代から80代の幅広い年代の参加者で「看取り」について考えてみました。
◆自分が家族に望む事は何ですか?
◆どこで最期を迎えたいですか?
◆気分転換できるような好きな事は何ですか? それが出来なくなった時、どんな気持ちになりますか?

考えた事はあるかもしれないけれど、具体的に言葉にしてグループ内で他の参加者の方の話を聴きました。

私も以前は「家族に迷惑かけたくないから病院で1人で」と思っていましたが、
この日同じグループのある方のお話を聴いて「自分がずっと過ごしてきた部屋で、最後まで家族の姿を眺めていたい」と思いが変わりました。
あまり負担かけたくないから、お世話は程々でいいけど、苦しそうにしてたら優しく接して欲しいな・・etc

「看取り」は息を引き取る間際と思っていましたが、
時間の幅があり、最期の日を迎えるまで、過ごす時間も「看取り」と考えるようになりました。
その瞬間までどう生きていくか、どんな事が出来るのか、今日から出来る事もある、と考える機会になりました。

 

★ ★ ★~ グループワークでの話題や、参加いただいた方の受講後のコメントをご紹介 ~★ ★ ★

◆最期を迎えたい場所や雰囲気は人それぞれの価値観で多様だなと感じました。
自宅(自分の部屋)/病院/施設/自分の好きな場所(海の近く) たくさんの人に囲まれて賑やかに/ひとりで静かに/家族に迷惑をかけずに 希望はあるけど、「でもね…」「現実を考えるとね…」とおっしゃる方も。
でも、そんな希望が叶えられる社会になるといいですね。

◆今日、いろんな方のお話しを聴いて、自分の最期について思っている考えが変わるかもしれませんよ。 変わってもいいですよと、はじめに大井先生が言われた通りのことが起きました。
ずっと自宅がいいと思っていたけど、奥さまを看取られた経験を聴き、信頼できる医師や看護師がいる病院ならそれもいいなと考えも持つようになりました。

◆亡くなるまでの経過や、入院のタイミングなど、知っておくことで選択肢を持てると思いました。

◆人生の終わり方の希望は、生きる価値観がそのまま出るものだな、と感じました。
皆さんのお話を聞く事で、自分の希望が変化したり固められたりしながら、意思決定していくことが素晴らしいと思いました。
大井先生が言われたように、当然希望は変わっていい、変わりながら自分も意思形成し、周りの人の意思も自分の判断によらず、尊重し、適切な情報を得て準備をしていけたらいいと感じました。