2023年6月29日、7月1日の2日間、神戸開催された第28回日本緩和医療学会学術大会において

がんの療養中の方とその家族に向けて今後の希望を話し合うために 
現状確認ツールIMADOKOを使って話してみた その経験をシェアしよう!
~一般市民として・看護師として・医師として~

 

という内容で、NPO法人くみサポと小金井/小平の在宅チームが一緒に交流集会を企画しました。

NPO法人くみサポからは共同代表の大井と泰田、鈴木が参加し、

小金井/小平の在宅チームの訪問看護師と歯科医師がそれぞれIMADOKOを活用した経験を発表しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■まず共同代表の大井より、IMADOKOの概要をおはなししました。

現状確認ツールIMADOKOは、緩和ケアを勧められて、ホスピスや訪問診療の相談にこられた
患者さんとご家族に、今後の見通しを説明する際に説明していた内容を見える化したものです。

以下の様に、漠然とした不安を抱えている患者さんやご家族が、この先の見通しを知りたいと
希望されたときに、IMADOKOを一緒にみながら現状を確認し、この先の過ごし方や療養の場所の
希望を話し合っていることをご紹介しました。

 

 

 

 

 

 

 

⬛次に、市民の立場で参加したふたりからは

自身の家族ががんと診断されたとき不安でいっぱいだったときの気持ち、
今後のおおまかな見通しを知って少し安心できた時のこと、
コロナでなかなか本人の状況も分らず、多くの親戚がなかなか現状の理解が追いつかない中、
IMADOKOを使ってみんなで現状を確認した経験、
漠然とした不安な気持ちの中、少しずつ今できることを実践してみた経験などをお話しいただき
医療従事者の私たちにとってはとても貴重なお話しでした。

 

また、会場においでの、病院の緩和ケアチームの医師から、
スタッフ間で患者さんの病態を共通認識するためにIMADOKOを使用しているという
嬉しいご報告がありました。

 

✳ここで会場からはこのような質問をいただき、このように回答しました。

IMADOKOで提示した経過や時間と、実際の経過ずれた時には、どのように当事者の方達にお話ししますか?
⇒IMADOKOは正確に予後を予測することが目的ではない。状況は行き来もするので、IMADOKOを見ながら行き来していることをチームで確認し共有している。また2割くらいは急変することがあると伝えている。IMADOKOを見ながら、この先体調がどう変化していくのか、そのときどこで、どう過ごしたいのかを一緒に話し合うのに活用してもらいたい。

市民の立場で発表したふたりは、医療者からそのようなお話は一切なかった。ご自身たちが学んで知っていたことで、家族に関わるのに役に立てられた。市民が力をつけることで、よかったと思える看取りにつなげることもできる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

くみサポの小園さん、伊達先生も応援にきてくれました!

⬛次に、訪問看護師さん3名によるトークセッション。

 

 

 

 

 

 

 

ここでは、訪問看護師としてどのような場面でIMADOKOを活用したのか、

ざっくばらんにお話ししながらIMADOKOのオススメポイントをまとめ紹介してくれました。

 

 

 

 

 

 

 

✳ここで会場からはこのような質問をいただき、このように回答しました。

IMADOKOをもとに周りの医療者とはどんなふうに話しをしたりしましたか?
⇒医療用SNSを活用しています。医療用SNSに歯科医師やリハビリ職、薬剤師、ケアマネや時にはヘルパーさんも入っているので、「現状がここである」ということを共有しました。
特に在宅看取りを見すえて療養している患者さんのところに入るヘルパーさんたちは、訪問したら亡くなっていることもあるかもしれないので、そのことをあらかじめ伝えておいたり、そのことはヘルパーさんの過失ではないことも十分にお話ししておきます。
そして慌てず、ご家族とともに、救急車ではなく私たち看護師や医師に連絡することもお願いしておきます。

 

⬛最後に歯科医師の菊谷武先生より

患者さんのADLの低下とともにIMADOKO①,②,③と変化するとき
時期に応じて歯科の役割も変化していくというお話をしていただきました。

 

 

 

 

 

 

✳ここで会場からはこのような質問をいただき、このように回答しました。

医療者間ではどの時期にいるか話し合うのに使えても、ご本人へIMADOKOを出して説明するタイミングに躊躇する。どのようなタイミングが良いでしょうか。
⇒大井)初めての診療で漠然とした不安を抱えている方が多いので、その不安を緩和するために少し詳しく知っておきたいですか?と知りたい希望があることを確認した上でほぼ皆さんにお話ししている。希望されない方には希望されたときにお話しする。今すぐに、ということばかりではなくて、今はまだ余裕があるこの時期で、「いずれこんな時が来る」そして「その時にこのようなサポートがある」ということでもお伝えしている。
⇒看護師)大井先生と訪問している患者さんはだいたい先生が最初に話してくれているので、看護師は家族に聞かれたときなどに、繰り返しIMADOKOをみて現状を確認したり見通しをお話ししたりします。亡くなられた後にお焼香にうかがうと、ご遺族からはあの時教えてもらってよかったといっていただきました。

 

訪問看護師トークの中にあった「迷惑をかけたくない」、はよく聞く言葉。どのように声をかけていますか?⇒「今まで沢山他の方のお世話をしてきたでしょう、その分受け取っていいのではと思いますよ」
「家族にとっても“何かすることができた”という経験と記憶は、その後の人生を支えてくれる」ことを伝えている。

 

会場に集まってくださった方は、

がん患者さんの看取りにかかわる方や、病院での相談業務にあたる方、

看護師として病院だけではなく在宅でケアに当たっている方、

医師看護師以外の職種の方もおられ、

まずはスタッフ間で使用してみたい、

今後は患者さんやご家族にも使用していきたい、

相談業務でこれからどうなるのかと聞かれたときに説明するために使用してみたい、

看取りの時期の口腔ケアはとても大切だとずっと思っていた、その話題があったのがうれしい、といった

ご意見もいただきました。

 

もう少しIMADOKOを知りたいというご希望の方、

IMADOKOを活用するための資料がほしい、

という方には、個別にご連絡を差し上げます。

 

お問い合わせはこちらまでどうぞ 👉 http://kumi-suppo.com/contact/

 

 

現状確認ツールについての論文はこちらから

 

👉 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspm/18/2/18_22-00066/_article/-char/ja?

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