第33回 Zoom活用 〈暮らしの中の看取り〉準備講座

 

地域コミュニティにおける食支援のシリーズ 今年度の第1回目の講座は

東京都八王子市で訪問の言語聴覚士として活動されている山本徹先生をお迎えしました。

 

山本先生による「人生の最終段階における食べることへの関わり方」のお話しは

言語聴覚士が食べることを在宅の現場でどのようにサポートしてくれるのかということ

そして食べることのサポートにとどまらない、その人が希望することを実現するために

その人に合わせた関わり方を丁寧に話し合う山本先生のお人柄がにじみ出るお話しでした。

食事の設定を考えるときの考え方や、調子が良いときにやっても良い、やったとしても責めないラインはどこなのかを話し合っていけるのが良いよね、というおはなしはとても印象的でした。

また、よく言われる「意向」というのは一体誰の意向なのか?本人?ご家族?医療者?という問いかけ。
ここで認知の射程の考え方を紹介いただき、参加者からはとてもわかりやすかったと感想がありました。

グループワークでは様々な視点からの意見が出されて参加者が深く考えるきっかけとなりました。

今回もくみサポの鈴木さんのレポートと参加者へのアンケート結果をご紹介して活動報告とさせていただきます。

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暮らしの中の看取り準備講座
「人生の最終段階における食べることへの関わりについて」
言語聴覚士の山本徹先生の講義。
食事方法を検討する時、推奨される方法と実際の方法がミスマッチした時は誰の意向か(本人が口から食べたいのか、家族が口から食べて欲しいと思ってるのか)確認し、専門職が関わる事で少しでも快適に暮らせるよう、実現可能で継続可能なプランを検討していく事など、事例を挙げながら分かりやすく説明してくださいました。

噛んで飲み込むだけが食事でなく、味わうという食支援もあるというお話を聞き、もし自分だったら最期は舌の上にバニラアイスを載せて欲しいな、そうして欲しいと家族に伝えておこう、と思いました。

口から食事出来なくなった方、また危険だからと禁じられた方に、再び口から食事をしていただくのは危険を伴う事も再認識しました。

医療専門職が出来る事と、一般市民(家族)が出来る事は違いますが、いつかは家族の病気や最期に直面するので、その時どうなるのか、その時どうしたいか、どうして欲しいのか、予め考える機会を持つ事の大切さを改めて感じました。

第2部の「コロナ禍でのケアの変化」では感染予防のための訪問の自粛や面会の禁止などの弊害、この時代だから出来るネットの活用法など、参加者の発言から考える時間を頂きました。ただどれだけ画面に会いたい人の顔が映っても、短い時間でも実際に会う方が心が元気になる、生きる意欲が増すと思いました。今じゃないとダメ、1ヶ月先じゃダメって事もあるそうです。が、本当に難しい(~_~;)

◆アンケート結果◆

・食支援は時機を逸してしまうと取り返せない問ことをコロナ禍での体験も交えて聞けたことが有意義でした。
・食事設定の図はとても参考になりました。
・withコロナの中で、病院-在宅をどのようにソフトランディングさせるのかのお話しが印象的でした。
自分たちの立場だけで話すのではなく、このような多職種多様なばで働くメンバーで話すと視野が広がり柔軟に考えられるのだな、とディスカッションをファシリテーとしていて改めて感じました。
・自分の思いを代弁してもらえる人と、思いを共有していけるよう、元気なときから、食べる楽しみや大切にしていることを話したい。
・食卓を囲むという日常の生活に主軸を置いた食支援の重要性を共有しました。またコロナ禍の中でもリモートを活用した連携の強化やステイホームをしながら楽しみを作ることも相手と自分のヘルスケアには大切であることを感じました。
・他のグループが言われていた家族や関係者の協力が欠かせない。関係をしっかり作ることが自分がしてもらいたいケアにつながっていくのだと思いました。
・山本先生のご講演の中でもありましたが、患者様のご意向に沿う支援をするためにも、日常から家族でのコミュニケーションをとっておくことが大切だと思いました。
もしものことがあった時を想定したチェックリストなどを作って介護予防の中で周知していくのはどうかなと思いました。
人生の最終段階における食事、本人や家族の願いと安全性の見極めやジレンマ。つなぐ人を見つける、見極めをどうするのが良いか迷っている。意見交換する時間はなかった。
・人生の最終段階になった時を想像して、自分の食の好みを伝えておくことが大事。それも人生会議のひとつ。自分か介助される立場になったと想像したときーー●●の何々(食べ物)が好き、という、細かいところが、実は毛耕「おいしい!」と喜べるかどうかに左右しうる。ハー●ンダッツのアイスとか、●●というお店のカスタードを使ったお菓子とか、私たちは身体が自由に動く今『お気に入り』をいmつけている。それを家族か援助者かに細かく伝えることができたらいい。
小さい頃に好きなものは?という生育歴にも注目する。援助者としては「(好みの)聴き方ひとつで変わる」と云うことを心得る。また、グループワークでは出なかったが、「食べたくない」という思いがあれば、それもくみ取れるようにしたい。
・私は言語聴覚士のお仕事の中に食べることが含まれているのは知りませんでした。
・ALSの当事者の方とご一緒できたのは貴重な経験でした。時間的にもっとゆっくり話しを聞きたかったです。