Zoom活用 オンライン講座

 

第47回 〈暮らしの中の看取り〉準備講座

=地域コミュニティにおける食支援=
オーダーメイドの在宅食支援と
委託給食業者と取り組む食形態調整

 

今回は、在宅訪問管理栄養士として患者さんのご自宅や小規模施設で
食事や栄養の相談に対応されている管理栄養士の伊藤清世さんをお迎えしました。

在宅訪問栄養指導の醍醐味は、
栄養素を実際の食事に置き換えて提案できること

たしかに、お料理が好きでも、栄養素がどれくらいか?
タンパク質30gって何をどれくらい食べたら良いのか?

と言うことは思い浮かびません。流石プロ! と感心。

清世さんのお話しを聞きたいと
全国から介護の現場で食事の介助に関わる方、
委託給食業者の方、医療従事者の方、一般の市民の方
本当にたくさんの方にご参加いただきました。

清世さんのお話しには
他にもたくさんのキーワードがありましたのでご紹介します。

 

その人のおうちで何ができるのか?を考える

私はあなたのことを理解しようと思っています、と言うメッセージ

今より一歩前に進んだら良い

イメージしやすい具体的な提案

自分と相手をいたわることが「手抜き」

在宅での栄養管理は改善だけが目的ではない

栄養改善は誰とでもできる、誰かの気づきから始まる

栄養改善の先にある生活を支える

食支援の目的は楽しく生きること

食べにくいのに、刻み食がでているのはなぜ?と思える社会になれば

食形態が口の動きにあっていないから食べられない

 

参加者がとても勉強になったことは間違いありませんが、

将来の自分のため、家族のため

地域で食べられない困っている人のため

今食べることで工夫が必要な自分のため

明日からの生活に役立つことばかりで

講座に参加した人の生活は何かが変わるようなワクワクがありました。

伊藤清世さん、本当にありがとうございました。

 

最後に参加してくださった方々の感想やコメントをご紹介して活動報告とさせていただきます。

 

・調理をする方(委託業者・介護者)や施設側の方が意外に食形態のことを知らないんだと気付かされました。

・イノラスやエネーボのアレンジ。フルーチェやポカリと混ぜて。またカロリーやタンパク質負荷の為の工夫としてサケフレークや揚げ玉を使うなど、すぐにできるヒントが沢山ありました。在宅訪問管理栄養士さん探して一緒に支援していきたいと思います

・病院だから食べられなければ、点滴。と考えがいってしまうことが切ないなと思います。共働の必要性を改めて深く考えます。

・三重県伊賀市の桔梗屋織居「おかゆ大福」は、学会分類2〜3相当の物性で食べやすいだけでなく、味が抜群に美味しいです。https://www.k-orii.com/okayu_daifuku.html

・食事のアドバイスをする時は否定から入らない。その人の歴史、価値観、その人との信頼関係を大切にし、なんでこのような食生活になったのかを見ていく。

・職場でトロミ剤の勉強会をしました。トロミ剤って混ぜれば混ぜるほどトロミが強くなるという事を知らない方が多くいました。食事介助の際に「美味しそうなスープですねぇ」と混ぜながら介助するのはついやりがちな事ですが混ぜ過ぎは禁物という事です。

・本日も大変勉強になりました。事前の質問への回答もいただき、本当にありがとうございました。

・トロミ量の意見の不一致は、一番、よく悩むことで。でも、基本に立ち返って、患者さんが口にしておられるものを責任をもって体験すること。忘れがちで、大切なことを思い出せて良かったです。  委託会社さん、訪問栄養士さんのお仕事を経てのご講義は、貴重で、初めて拝聴しました。本当にありがとうございました。  以下、学びです。

  • 「できそうなこと」を提案できるのが、管理栄養士さんたちの素晴らしさだと思いました。お相手を否定するのではない所から始めるのは、緩和ケアと同じだなぁと思いました。やはり、私も、人や歴史を尊重したいと、改めて思いました。(私自身、もし蔑ろにされたら嫌でしょうしね)
  • 「好きなもの、エネルギーのあるもの、とにかく食べてください」など、幅広くて自由を保障して親切なようで、受けとる側からしたら不親切なことも多々ありというのが目からウロコの新たな発見でした。具体案、分かりやすかったです。特にうちは医師と看護師しかいないので、具体的情報助かりました。
  • 食事の形態ありきではなく、口や喉の能力、嚥下レベルのピラミッドで考える、というパラダイムシフトも知れて良かったです。ピラミッドの存在は知っていても、そこまでの理解に至れてなかったかもと思いました。
  • 水、ハッピーターン、ゼリーの演習がとても良かったです!職場の皆に共有していきたいと思います。丸のみしかできない方にとって、ゼリーの一口量がこんなに影響し、多いと詰まりそうな恐怖を感じるだろうなと想像ができました。患者さんの口の動きをより深く観られる、役立つ、知恵を賜りました気持ちです。
  • 当施設でも、委託業者さんには、日々の食事を作っていただき、本当に感謝しています。想像ですが、食べる楽しみ以前の、衛生管理、3食毎の時間切迫、人手不足や長時間労働(かなぁと、うちの施設では感じます)など、本当にハードなお仕事をしていただいているのではないかなと、思っています。簡単に、気軽に言われがちな、’病院の食事はおいしゅうない’、という言葉を聞くと、心が痛みます。(感想は自由ですが、、、。本当に見直しが必要なケースももちろんあると思いますし、、、。私は病院食大好き患者だったので(^^;))そんななか、現場で食事介助する側の立場でもある私が、「こうしてほしい」というのは、なかなか、まるで文句のようで、言いにくいと思っていました。 でも、今日のお話を聞いて、委託業者さんでの研修やアンケートにお話から、委託業者さんのイメージが完全に変わりました。すぐには気軽な関係にはならないと思いますが、なんでもコミュニケーションは大事だなと痛感しました。ありがとうございました。 以上公開OKです。

食支援は、「生きる」を支える大きな役割があると思うので今日の学びを私なりに生かして行こうと思います。