第59回〈暮しの中の看取り〉準備講座

=地域コミュニティにおける食支援=

「食べたい」を支えるためにできること

 

第1部 私にもできた「食べたい」を叶える支援

第2部 ミニレクチャーとワーク

 

2023.9.24 13:30-15:30

会場:BIG FRONT広島5階 広島市総合福祉センター

ホリスケアアカデミーさんとの共催の〈暮らしの中の看取り〉準備講座@広島シリーズ第2弾

 

今回の研修はくみサポ共同代表の泰田さんが実際にご家族が食べられない、という状況になった時のお話を伺いました。

ご家族が「食べられない」という状況に初めて直面した時、泰田さんを含めご家族の皆さんは病気の進行をみるだけで医療従事者の方が言うようにしか対応できなかった…。

その後2014年くみサポができ、自身の知識が増え、相談できる人が増えました。そして次にご家族が「食べたいのに食べられない」という状況になった際、泰田さんは①思いを聴く、②本人や家族と医療従事者とのコミュニケーションをサポートする、という支援に繋がったと言われていました。

私は「食べられない」が誰にでも起こるという言葉に納得させられました。もし、そうなった時どうしたいのか、という希望を話しておくことでそのような状況に直面した際の動きが大きく変わることを実感しました。そして、地域の中でも学びの場が増えれば思いを聴いたり、医療従事者との間をとりもつサポートができる人が増え、より多くの方が希望に近づく選択をしていけると思いました。日頃からなぜこうなっているのか?と疑問を持つ視点が必要だと感じます。

また大井先生からは、病院では「なぜ食べられない?」と原因を探すよりも先に栄養を入れてしまうこともあるとのこと。食べられないにも様々な原因があること、そして声が出ている人には食べる力があるかもしれない、と食べる可能性としてみてみるのがよいとも伺いました。また食べる時の姿勢を体験してみる時間もあり、食事姿勢の少しの乱れでどれだけ食べづらいのかも実感しました。

グループワークでは参加者は介護士、看護師、医師、一般の方々など様々。「食べられない」は誰にでも起こることであるにも関わらず、相談窓口や学習する機会が少ないのが事実であり、こういった学びの場所が増えたらいいとの話がありました。様々な職種が集まり、希望と現実でのジレンマを感じたり、ケアプランの中に専門職だけでなく、くみサポや様々なサポートをする人たちも参加できるといいという意見など多くの視点から感想や意見、希望が出ました。

 

【参加いただいた方の受講後のコメントをご紹介】

・患者様と医療従事者をつなぐためのコミュニケーションが積極的にとれる環境が大切であり、何より、意思表示ができるうちに家族とこうなったときにはこうしてほしいという希望が話せているのといないのとでもその後の動きが大きく違ってくるとより強く認識しました。

・普段、多職種連携が図れる環境にあっても、患者や家族の意向に沿った介入ができていないと感じた。
食べられる可能性や希望を見失わないように患者や家族と向き合いたい。

・多職種、また他の地域に住んで活動している方たちとオフライン、オンラインを駆使して繋がれる研修がありがたいなと思います。普段の仕事だけだと、決まった人たちとの交流のみになりがちですが、他の法人でお仕事されたりしている方、地域の方との交流の場にもなり有益でした。

・姿勢によって嚥下が違う実験は、とても分かりやすかったです。私的には、3番目の円背の方の嚥下が、なるほど!こんな感じかぁ、詰まったり、むせるはずだと思いました。

・タオルを使った姿勢改善を、知りたいです。

 

*今回は、広島デカい際される講座を、東京都小金井市の市民の方にも視聴していただきました。

小金井での食べる支援の参考にしたいと、大きな反響がありました。

【都民農園小金井プラムより】