2020年4月19日 新型コロナウイルス感染に関する社会の状況の変化に対応し

当初集合型で行う予定だった〈暮らしの中の看取り〉準備講座を今回はじめてZoomで開催いたしました。

60名近い参加者のITリテラシーもさまざまな中、技術担当の小瀬さんが
開始前のオリエンテーションから開始後のサポートまで担当して下さり大変助かりました。

さて、Zoomで開催したことで、東北から九州まで遠方からたくさんの方にご参加いただくことができました。

今回は暮らしの中の看取り準備講座でともに学んできた仲間たちが家族の看取りを経験し

それぞれの看取りにどんなことが役に立ったのか、そして今どんなことを感じているのかを語ってくれました。

 

全国から参加したのは、医療や介護の現場の方たち、そして市民の方ですが

同じように家族や大切な人の介護に直面していたり、多くの方が看取りを経験していました。

看取りを支える側の医療者としてではなく、なるべくいち個人としての想いにフォーカスしてみました。

 

演者のひとり、鈴木さんのお話しでは・・・

家族が癌と診断されてどうして良いかわからずとても不安だったとき
この先の見通しを知ってどんなことが起こるのかをあらかじめ知ることで少し安心できたことや
「聴く力」を養うシリーズで学んだことをひとつずつ実践していったこと
そしてそのことで家族がおだやかさを取り戻したことなど
わかりやすくお話ししてくれました。

看取りを自分がするの?と思って泣きそうになっていた彼女が
「父は私の成長を待ってくれた」「良い看取りができた」と言っているのはとても嬉しいことでした。

 

横山さん、泰田さんもそれそれの看取りの体験と、今思うことをお話ししてくれ
その後の小グループでのディスカッションでは活発な意見交換ができました。

参加者が是非みなさんと共有したいと感じたことをアンケートに書いて下さったのでご紹介いたします。

●自分のことは厳しめに看てしまうけれど、他の人の経験談には温かな目で「そこでできていたこと」にめをむけられやすいかもしれません。そういう意味でも、体験をそれぞれが安心して分かち合える場、お互いによ~く耳を傾けられる場、そういう相互サポートの場がとても大切だと思います。

●看取りの過程で今どの状態にあるのかということを客観的に知ることは、当事者になってからだと難しいことですが、事前に学ぶことで不安が軽減されることがあることを知れたので、地域でもっと看取りやその過程が学べるようにしたいです。

●看取りは悲しいけど愛情があると言われたのが印象的でした。

●突然死でも普段から家族で話し合いをしておくことで受け止めが変わってくると知りました。

●患者さんや家族と一緒にいるときに、何か話さないと、と思ってしまいがちですが、ただ黙って一緒にいるだけで気持ちが落ち着くこともある、と言う意見に共感しました。私の母親の時にもそうやって良い時間だったことを思い出しました。

●たとえ後悔の念を述べたとしても、その行為自体が故人を偲ぶことになっていることを学ばせていただきました。

●突然の死別は乗り越えることが難しいですが、亡くなった人の視点でどんな気持ちでいたのだろう?と考えてみることで乗り越えられることもある、と言うことを教えてもらいました。

●専門職がいくら知識があったとしても自分の家族が直面したときには本人の想いや希望をなかなか聞けない。そんなときには第三者に間に入ってもらうと会話の糸口が見えることがあることを学びました。

●死に向かうとき、本人や家族への情報提供のみならず、支える側のチームでも情報を共有することが重要と思いました。

 

 

Zoomで開催した今回の講座は、パソコンやスマートフォンの画面越しでありながら

不思議と一体感を感じる、とても心地よい時間をすごすことができたようです。

こんな時だからこそ、顔を見て話すことをありがたく感じたのかも知れません。

 

参加して下さったみなさんのおかげです。ありがとうございました。