第58回〈暮らしの中の看取り〉準備講座

=地域コミュニティにおける食支援=

その食形態は対象者の口に合っていますか?

〜フードスタディを体験、マスターして明日からの食支援を進化させよう〜

 

2023.9.10 12:00〜15:00
会場:BIG FRONT広島5階 広島市総合福祉センター
ホリスケアアカデミーさんとの共催の〈暮らしの中の看取り〉準備講座@広島シリーズ第2弾

 

待ちに待った牧野日和先生(愛知学院大学健康科学部準教授)の講座が実現しました。
新型コロナウイルス感染症の拡大で延期していましたが、やっと皆さんで集合しフードスタディが実現しました。

参加者は医療介護従事者だけでなく一般市民の皆さんも参加されました。

専門用語も分かりやすく、そして何より先生の話術に惹き込まれ笑顔あふれる講座となりました。

フードスタディとは、嚥下調整食の確認会のことです。

当日は嚥下調整食を開発販売されている企業様からたくさんの食品をご提供いただき試食しました。

フードスタディはただの試食ではありません。

牧野先生の指示に従って患者さんの実際の口やのどの動きを真似た状態で食べることを体験します。
そうすると、食事介助をする時の利用者さん(患者さん)に合っている物かどうか想像できます。

今回参加された皆さんはこの経験を通して、介助者が手元調整をしながらその方の飲み込みの力に合わせた食事介助ができるんだ!それが必要なんだ!と実感している様子でした。

参加された管理栄養士さんなどからは、
「フードスタディを通して嚥下調整食を試食する時に丸呑みできるか、押しつぶし食べできるかと、順を追って行うことが大切ですぐに活かしていきたい。」
「押しつぶし用に開発された食品は咀嚼して食べるより押しつぶすことで味わえるように工夫されていて驚いた」
との感想も聞かれました。

牧野先生の講座で皆さんパワーをたくさんいただけました。

明日からできることを実践!そんな気持ちになりました。


今回多くの試供品をご提供くださった企業の皆さま、ありがとうございました。
株式会社明治様、株式会社フードケア様、大和製罐株式会社様、株式会社ふくなお様

★ ★ ★~ 参加いただいた方の受講後のコメントをご紹介 ~★ ★ ★

◆普段何気なく食べている一連の動作は、複雑な工程だということに驚きました。
歯だけでなく、舌や頬、唾液が巧妙に連動していること、それらのどこかに不具合が生じれば食べることが難しくなること。
人は食べるときに顔を近づけること=食事介助をするとき少し待つといいこと
食事の量により、食べやすかったり食べにくかったりすること など

◆誤嚥が起こらないように細かく食事の開発がされている事に感動しました。
なかなか沢山の試食が体験できないので、今回のような機会が沢山あるといい。

◆介護食等の種類が豊富になって来た今、試食して見て良かったと思いました。
摂食嚥下障害の難しい分類を具体的に体感できたことが大変有益であったと思います。
フードスタディについて人にも紹介したい。

◆学会基準とUDFの位置付けを理解した上で、その段階の間を埋める手元調整の重要性を知れたのが有益だった。
また、サンプルを用いてそれを体験できたことで理解が深まった。

◆高齢の母がむせやすく、専門職の方から「トロミをつけたらいいですよ」とアドバイスされますが、その人に応じたトロミがある事が分かりました。
市販のゼリーも今まで試食した事はありますが、噛まなくても飲み込めるか?といった視点で試食していなかったので、それぞれのゼリーの特徴がよく分かりました。

◆かなりの駆け足でしたが、以前牧野先生のWEBセミナー3部作に参加したことがあったのでなんとか理解できました。
自分でも嚥下調整食をいろいろ購入して試食しましたが、解説していただいてフードスタディを経験したことで理解が深まったと思います。
レジュメで復習しましたが、内容が盛りだくさんで3時間では足りなかったように思いました。
手元調整等さらに踏み込んでの続編を期待します。