2021年3月14日 第39回〈暮らしの中の看取り〉準備講座

在宅医療における食支援の取り組み

~食べたいものをたべられるために~

 

みなさんはご自身の最期に何を食べたいですか?

中村先生が研修の中でご紹介してくださった患者さんを数名ここでご紹介します。

 

★病院から家に退院してきたのは「お酒を飲むためだよ。」

お酒が大好き。
嚥下のリハビリをしてロックの焼酎を
口腔ケア用スポンジにしみ込ませて少しずつ焼酎を味わった。

★90歳を過ぎた方。

腎臓が悪くなってから一度もたべられなかった「どん兵衛」。
大好きなどん兵衛を味わって、2週間後に亡くなりました。

★肺の病気の方。

好きだったものがたこ焼きだとわかり、
栄養士さんが自前のタコ焼き器を持って行って
一緒にたこ焼きを作って食べる。
匂いと音で食欲アップ。

 

皆さん、いかがですか?

患者さんの姿が目に浮かびませんか?

あなたが、私だったら、どんなふうに最期まで食べたいですが?

 

つばさクリニックの食支援チームのミッションは

病院では「食べていいよ」って言えなかったけど。

在宅だからできる「食」を使って

患者を笑顔にできる取り組みを具現化する。

 

中村先生がこの食支援チームをつくっていく経過に

人とのつながりをつくる、という時間があったことをお話されました。

 

病院や地域で働く医療介護福祉従事者も、介護をしているご家族も、

1人でもっている疑問や悩みを周りの人と話し、

共有する場があると新しい人との繋がりができて、

何か変化が生まれるかもしれません。

 

大きな変化は急に難しくても

同じ想いをもつ人が集まると

食支援に関わる変化は生まれると実感できる研修でした。

 

研修終了後のアンケートで参加者からいただいた意見を一部ご紹介します。

♦多職種の協働によって実現できる食支援のアイデアを知ることができたことがよかった。
ただいつも思うことはこれをこの職種がいるからできる、いないからできないではなく、
どの職種も自分の職種の領域を超えてアンテナを伸ばせるようになることが大切だと思います。

♦「食べることは生きること=楽しみ・喜び」だと再認識しました。

♦「食」は栄養面だけでなく楽しみや様々な目標につながることもあり、
人間にとって大切なことと思っています。
自身と同じフィールドで活躍されている先生よりとても実践的なご講演をいただき、
あらためて食支援の持つ意味や必要性を実感しました。
患者さんの誕生日や、結婚記念日などその方にとっての特別な日に
何かできないか考えてみたいと思います。

 

くみサポの活動も少しずつ人との繋がりを広げ、

地域での食支援活動が充実するものになればと思います。

ぜひ仲間になって一緒に活動しませんか。