第51回 〈暮らしの中の看取り〉準備講座

=日本緩和医療学会の報告会=

市民の「聴く力」と「食べる支援」で地域の看取りが変わる

〈暮らしの中の看取り〉準備講座で学んだ市民が実践できたこと

 

第51回〈暮らし中の看取り〉準備講座は、

7月1日、2日に神戸で開催された「第27回日緩和医療学会学術大会」で、

くみサポが企画した交流集会の内容を報告し、参加者と思いを共有する場を持ちました。

 

くみサポメンバーの泰田は、家族を突然亡くした時の気持ち、その後の悲嘆からの回復に、

準備講座を受講して自分の人生の最期について考えていた家族と、

そうでない家族でその後の気持ちに違いがあった事、

また親族が突然食べられなくなった時、家族と医療従事者の間のコミュニケーションをサポートして

家族が望む療養ができるよう働きかけた経験を語りました。

 

同じく、くみサポメンバーの鈴木は、家族が突然末期がんを宣告され、

不安でいっぱいだった時に準備講座と出会い、傾聴など学んだ事を実践しながら、

満足する看取りができた経験を語りました。

 

今回の準備講座は一般市民の参加も多く、

抱えている事情が違うそれぞれの立場から、感じた事、自分の思いを発言し、

医療従事者も専門家として、また1人の人間として、参加者全員で思いを聴く場となりました。

 

講座終了後、参加者の方から以下のような感想をいただきました。

 

1.賢い市民にするために、医療者と言う鎧を脱がなければいけないと感じました。
医療者の、どことなく上から目線が、一般市民に一歩置かれてしまう…
医療者がこんなに考えてくれるんだ!と言うことばに残念な気持ちになりました。
だからこそ、何かサポート側として出来ることをやりたいなぁと思いました…聴く事ができるかなぁと。

 

2.末期がん患者が身体機能低下に応じて、どの様なタイミングでどの様なサポートを受けられるのか、
住んでいる地域の緩和ケア支援体制について家族を含めて知っておくことが大事なことが分かりました。

 

3.事例を踏まえてもお話であったため、分かりやすかった

 

4.一般市民の方も様々な職業に就いてらっしゃり、
今までの経験をくみサポの活動に活かしたいと言って頂けて嬉しかったです。

 

介護する側や医療従事者は「どうすべきか?」と考えがちですが、

その前に「本人はどうしたいだろう?」と、なかなか口に出せない

本人の思いを聴く事の大切さに改めて気付きました。