「食べることの困りごと」相談コーナー報告

はつかいち 暮らしと看取りのサポーター 相談コーナーリーダー 迫田綾子

【目的】

「食べることの困りごと」に関して、食べ物、食べ方、むせ、食事姿勢、介助方法、お口の問題や介護予防などについて、サポーターがお話をじっくりと聴き、助言する。必要時地域の医療や介護の専門家や窓口につなぐ。相談者と相談員が「食べる力」と「楽しみ」を支え合うことを目的とする。

【会場】

ゆめタウン廿日市

【期間】

2019年2月~2020年2月(3月中止)

【日時】

毎月 20日11時~14時 ⇒6月から13時~15時

【相談員】

①食支援専門職、②介護・福祉系専門職、③医療・看護・リハビリ系専門職、④一般市民の4分野から各1~2名のボランティアで相談員を務めた。

【結果】
1.相談者及び相談員の推移

相談者は、延べ42名(平均3.8名)で、廿日市市内及び近隣地域から来訪された。
相談員は75名(平均6.8名)であった。
相談コーナーを知ったきっかけは、案内チラシや知人の紹介、民生委員、館内放送等であった。
相談時間は、10分~2時間で平均30分程度であった。

3月は、新型コロナ感染対応で相談員の参加困難なことや感染予防策として中止した。

2.相談内容及び対応

相談内容は、食事関連23件、病気・健康27件、栄養相談20件、介護関連15件等であった。
食事関連は、食欲不振、摂食嚥下障害、経口摂取困難、胃瘻造設の意思決定アドバイス等で、介護も合わせた深刻な相談も寄せられた。
栄養相談は、調理方法、食形態の工夫、カロリー、栄養方法等で家族や自分の相談であった。アドバイスと共に希望により栄養補助食品等を渡した。
口腔問題は治療方法、義歯などであった。介護関連は、第一相談ではないものの介護負担や入所施設等の問題が背景にあることが多く、ケアマネ等が対応した。
病気や健康問題では、治療や終末期、入院中の医療者への対応、一人暮らしの生活支援等で、相談内容は多岐であった。
相談対応は、聴くことから開始し困りごとの種類により、各々の専門職が連携しながら行った。

6月からは健康チェックを取り入れ、口腔乾燥チェック、握力計、フレイルチェック等を案内した。相談者には、食事関連リーフレット、栄養補助食品、トロミ剤、口腔ケアグッズ等を希望に合わせて持ち帰っていただいた。

【まとめ及び課題】

介護レストランから発展した当コーナーは、相談者は少ないものの食べることや医療、介護、生活など様々な相談があった。相談後には安心されて笑顔で帰られる方々もあり、コーナーの存在意義はあったと考えている。相談員は多職種連携で、専門性を活かした対応が可能となっている。課題は、「困りごとを見つける」「聴く」「つなぐ」「共に歩む」ことを更に発展させる仕組みつくりと、広報である。「誰でもが健康で安心して暮らせる廿日市」として、相談コーナーが市民の小さな灯になるよう活動を継続する。