第76回〈暮しの中の看取り〉準備講座

介護の経験を市民が語る

〜家族と自分のための準備〜 

 

介護は、突然その時を迎えることが多く、

家族としてどのように向き合えばよいのか迷うことも少なくありません。

 

今回は、介護を経験した市民3人からお話しいただきました。

 

鈴木さんからは 末期がんと診断されたお父さんの介護のお話しでした。

医師からはまったく看取りに向けての話はなかったけれど、

がんの療養はこんな風に進んでいくこと

死に向かってこのようなプロセスがあること

聴くことを学びながらそのまま実践してみたら

イライラしていたお父さんがとても穏やかになったことなどをお話しいただきました。

 

自宅で看取ることは難しい状況だったのでタイミング良く入院に踏み切ったのは

お母さんのためでもあったこと。

最後は病院でと言っていたお父さんがいざ入院となると嫌がったのだけれど、

しっかりお父さんの気持ちを聴いた後に入院を勧めると受け入れてくれたのだそうです。

 

診断を受けた時には不安で泣いてばかりだったのに、

良い看取りができたと話している自分の変化に驚いているということでした。

 

泰田さんからはがんではなかったお父さんの看取りのお話しをしていただきました。

これまで準備講座に参加していろいろな職能の専門職がいることを知っていたことで

お父さんの身体機能の変化に合わせてさまざまな専門職に相談することができました。

自分自身も家族の立場で病院に行ったときに伝えたいことをメモにしておいたり

関わる家族の話をじっくり聴いてみたり、できることがあることもお話し下さいました。

 

河野さんからはまさに現在進行中のお母様の介護のお話しをしていただきました。

実家と自分の家を往復しながら、自身の無理のない範囲で介護を続けるための工夫がありました。

できないことに目を向けるのではなく今できることを考えること、

お母さんがどういうことを大切にする人だったのか、それは日常の会話から理解ができます。

本人家族にとって大切だと思うことを最後に紹介してくれました。

希望を持つこと(Hope)
自己効力感 できるよきっと!できるじゃん(Efficacy)
つらさ困難から立ち直る回復力(Resilience)
意外と何とかなるよと楽観的でいること(Optimistic)   HERO~!!

 

3人に共通していたのは、それぞれが自分にできることがあることに気づき実践した点です。

 

参加してくださった方からも介護の経験からの反省点や

今まさに困っていることを話す貴重な時間となりました。

✦参加者は今まさに介護のまっただ中。その家族のために何ができるのか?

✦今日のお話を息子や娘に見せたい。どうしたらよいか?

✦自分のこれからの人生のイメージが明確になった。死ぬまでにどうすごそうか、考えるのが楽しくなった。

✦まだ元気な親と何を話したら良いか参考になった。

など素晴らしいフィードバックもいただきました。

介護に正解はありません。

置かれた状況の中で自分も大切にしながら、家族の介護にどうかかわるか。

それを考える参考になったかと思います。