第70回〈暮しの中の看取り〉準備講座
介護のはじまりに迷わないために
~家族と自分のための準備~
介護のはじまりに迷わないために ~家族と自分のための準備~
今日の参加は20人でした。
全員で始まったアイスブレイクは、“自己紹介と参加動機”。
本日講師の松原さんからはじまると、皆さんからも
身近に経験をしたり感じたりしている介護と看取りについて語られ、
講座の始まりから実感のこもったお話が続きました。
「介護する立場であり、される立場。今できることを考えながら試行錯誤」
「そろそろ親の介護が始まるのかな、を感じる出来事」
「自分が受けるときには、好きなものに囲まれていたいと思って整理してみている」
など、経験のある方も、まだ少し先の方も、お互いの話をじっくり聞きあい、
今日のテーマをはじめる準備が整いました。
そして、講師の松原かほりさんからは、
様々な意識調査の結果や介護についての基礎知識、身近な経験をお聞きしました。
その中では、人生の最期をどこで過ごしたいかという問いには、
がんのような短い期間で状況が変化する病気と、認知症といった数年にわたる症状など、
身体が衰える理由によっても違いがある、ということを知りました。
そして、平均寿命が長いこの時代、健康寿命を越えて介護が必要な期間の平均は
男性8年、女性12年だそうです。
まだまだ元気と思っていても、気になっている身近な家族、そして自分はどんな状況にあるのでしょう。
ある健康チェックリストにそれぞれ答えてみました。
体力が落ちているような、忘れっぽいような、色々な活動が億劫になっていそうな…、
“なんとなく”感じていたことをひとつずつ確認してみることで、
“やっぱりそうか”と実感する体験になりました。
時々こんな風に客観的に捉えてみることも大切ですね。
他には、介護保険の申請から認定までの流れ、介護保険サービスで必要な金額の目安、
家族が活用できる介護制度などもわかりやすくお話ししていただきました。
続いて大井裕子先生からは、IMADOKOの説明があり、
最期をどこで過ごしたいかによって、家族が介護に時間や力をかけるタイミングの計り方が変わってくること、
それを伝えるためにもIMADOKOを活用しているそうです。
介護を考える家族は、看取り近くなるにつれて時間や介護の力を注ぐものと考えていることが多いとのこと。
でも実際は、“トイレに行けなくなった時には病院で”と考えている場合、
“入院するまで”が家族がそばで介護できる期間。
できることをしてあげたいと考えているときにそのタイミングを知っていることは重要です。
もちろん、在宅での看取りを考えているときには、徐々に介護負担が強くなる時に、
資源を上手に活用しながら負担を調整できる部分もあるということでした。
そして、松原さんのお話にも含まれていましたが、家族が介護のために離職をすると、
場合によっては再就職が難しい年代でもあるため、介護休暇・給付などを上手に使い、
家族自身のその後の生活も大切に考えて、介護にあたってほしいということでした。
おわりに、誰もが人生の最期に向かって体力が低下し介護が必要になるけれども、
それまでの間、フレイルを予防をしながら生活するヒント(3本の柱:
栄養、運動、そして人とのつながり!)もありました。
それらのお話を受けて、再び参加者皆さんのトーク。
ケアや支援の提供者と受ける側でのコミュニケーションも話題になりました。
暮らしの看取り準備講座は、知識だけでなく、参加者皆で経験を共有できるので、
支援を活用する力をつける場にもなる、という思いを分かちあっての終了になりました。
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