第68回〈暮しの中の看取り〉準備講座 呉シリーズ第3弾
=最期まで輝いて生きるために=
家族の介護・看取りで感じた「あと、どれくらい?」
〜最期まで生きることを支えるために、IMADOKOについて知ろう〜
〈暮しの中の看取り〉準備講座 呉シリーズ第3弾が、11月17日、呉共済病院で開催されました。
くみサポ@はつかいちやくみサポ@こがねいの仲間たちもオンラインで参加し、
会場35名、オンライン13名、総勢48名が参加しました。
今回は看護師の伊藤由夏さんから、ご自身のお母さまの看取り体験をうかがいました。
ご自身の心の動き、お母さま、ご家族の心の動き。その時の様子が目に浮かぶようでした。
お話の中で印象的だったのは、自宅で生活をしていた時のこと。
普通の暮らしの中で看取る時の「温かさと緊張感」。
家ではお孫さんも一緒に生活していて、本当に何気ない普段の生活が温かい。
でも一方で、体調のこと、最期のことについて考える緊張感。
それがお母さまの最期を看取るときに感じられたとのことでした。
そして私たちの疑問。
小さなお孫さん達は病気のお祖母さまとの生活、看取り、をどんな風に受け取っていたのか?
伊藤さんからは、子どもたちはごく自然にそれを受け止めていた、と。
動けない状況で一緒に家で過ごすことについて、小学生のお孫さんは
「どんな姿でもお祖母さんはお祖母さんだから連れて帰ってほしい」と言われたそうです。
自宅に帰ることを後押ししたのはお孫さん達だった。
いっしょに帰った時、お祖母さんはお話ができない、動けない状況だったが
お孫さん達は一緒に家にいるということをとても喜んでいた。
「いっしょにいるから大丈夫だよ」とお祖母さんに声をかけていた。
亡くなった時は大泣きしたが、亡くなった後にお孫さんが言っていたのは
「お祖母さんはいつも一緒にいてくれたから、死んじゃった後でもこれからも一緒にいてくれるはず」と。
いまだに、それぞれの子どもたちの中にお祖母さんが自然に存在しているような暮らしをしている。
伊藤さんが語るこの様子は、本当に温かくて。子どもたちはとても自然に死を受けとめているんだなと思いました。
そして伊藤さんは、お母さまの看取りの経験から、「後どのくらい?ではなく、今どこなのか」を考えて、
今できることを考えることが大切、と言われていました。
そのような時に活用できるのが、INADOKO。
IMADOCOとは…日常生活の指標から現状を確認する現状確認ツール。
伊藤さんはお母さまが亡くなって1年後に、大井先生の講演でIMADOKOの存在を知ったそうです。
その時に、医療従事者と患者さん、そして家族が「あとどのくらいなのか」ではなく
「いま、どこなのか」を共有して、何ができるのかを考えて選択していく。
このツールを1年前に知っていればお母さまと一緒に「いま、どこなんかね。何ができるかね」と
一緒に確認できたかもしれない。このことを1年前に知っておきかった。
自分と同じ経験をしてほしくないな、と思って今回IMADOKOを勉強する機会を作ったそうです。
今回は伊藤さんの温かくも芯のある語りに、自分だったら…私の家族だったら…
いろいろな思いをめぐらすことができました。
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