第36回「<暮らしの中の看取り>準備講座」
=地域コミュニティにおける食支援=
最期まで口から食べられる街づくり
変わること・変わらないこと
<活動報告>
地域コミュニティにおける食支援シリーズ 今年度の第3回目の講座は、
新宿食支援研究会でご活躍されている、五島朋幸先生をお迎えしました。
五島先生は、2016年9月の講座で初めてご講演頂き、新宿での「食支援」に
われわれくみサポは大きな刺激を受け、はつかいちの食支援活動を考えるきっかけとなりました。
今回は、最期まで口から食べられる街づくりをテーマに、
「変わること」「変わらないこと」についてお話しいただきました。
研修会は、2部構成で、まず初めに
〈変わらないこと〉食支援に必要な役割についてお話し頂きました。
口の機能と食べることでは、脳機能の1/3~2/3をつかっています。
食べることで元気になった方はたくさんいます。
口から食べていることで、唾液分泌が促され、細菌が除去されます。
食べる機能が維持向上されれば、栄養状態が良くなります。
結果、安全に口から食べることが最大の肺炎予防になります。
- 最大舌圧と食事形態では、舌圧が強いほど、常食が食べられる。
- 食物の硬さと脳血流の変化では、硬いものほど脳血流が増す。
- 姿勢別では寝ている時よりも、起きている時のほうが脳血流量が上がる。
という研究は興味深いものでした。
摂食嚥下障害の発症率は16%と言われています。
新宿では、口から食べることに問題を抱えている人が1万人います。
これだけの人数を支えていくためには、多くの人々の支援が必要になります。
地域食支援の担い手では、一職種がすべての食支援ができるわけでなく、
多職種が専門を発揮しチームで関わることが重要です。
新宿食支援研究会では、「見つける」「つなぐ」「結果を出す」そして「広める」
これを無限に続けることで最期まで食べられる街づくりにむけて活動されています。
後半では、〈変わること〉地域コミュニティーについてお話し頂きました。
地域の高齢者は、
「コロナが怖くて外出せずフレイル状態が進む」
「コロナが怖くて通院せず持病が悪化」
「コロナでイベントがなくなり、外出の機会が奪われる」という問題に直面しています。
なぜ口から食べられなくなるの?なぜ栄養状態が悪くなるの?
廃用:疲れるから外出しない⇒運動していないから食欲がわかない
⇒食べないから栄養が悪化⇒栄養が足りないので歩くのも大変
⇒外出できなくなる⇒寝たきりの高齢者。
コロナで外出できない、、、この状況が続くことで、廃用が進んでしまいます。
いつまでも口から食べられるためにはどうすればいいのか?
⇒外食する! 旅行に行く! 反対を言えば:一人で家で食べる
となると、どうやって外で食べる仕組みを作るかが大切なポイントです。
変わること:変わるのは人の営み 変わらないこと:食べて生きること
人間の営みを変えて、食べることをみんなで支援しましょう。
そんな話題提供をいただき、参加者全員でディスカッションしました。
それぞれの地域での活動も知ることができとても刺激的な講座となりました。
今回、五島先生の研修では、改めて、
「見つける」「つなぐ」「結果を出す」そして「広げる」を
地域で実践していくことが、最期まで口から食べる街づくりに近づく事を再確認できました。
食べたい希望を叶えられるよう活動を広めていきたいです。
(食支援チームリーダー 黒瀬)
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