第29回〈暮らしの中の看取り〉準備講座

7月に予定していた講座を少しはやめてZoomで開催いたしました。

お話しして下さったのは副島賢和(そえじま まさかず)先生。
コロナ禍の今、距離を保たなければならない今こそ
病弱教育の現場で培った経験が役立つようです。

こころの声に耳を澄ます といサブタイトルの通り
こどもの言葉にならない感情やねがいをどうキャッチできるのか。

そんなことを60名近い参加者でグループワークをしながら考えました。

こどもたちに、今大人ができること をお話しいただきましたが
それはこどもだけではなく、私たちおとなにも、病気で療養中のかたにも
応用できることばかりでした。

参加者の多くが、自分のふだんの関わりかたをふり返ることができた
とても素敵な時間でした。

参加者同士のつながりも深まり、また新たなつながりも生まれ
ここが安心して離せる場所として育っていることを実感します。

さて、この講座を振り返って、くみサポのメンバーがまとめて
くれていますのでこちらに紹介して活動報告とさせていただきます。

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〈暮らしの中の看取り〉準備講座 ~こころの声に耳を澄ます~

昭和大学の院内学級で病気で入院中の子供たちの教育に携わってこられた
副島賢和先生が、子供たちが教えてくれた大切なことをお話ししてくださいました。

行動には理由がある
・頭で認知し、心で感じ、体で行動する

見えるのは行動と言葉(表現)
・泣いたり怒ったりされると受け取るのは難しい

なぜその行動をせざるを得なかったか、なぜその気持ちを持たざるを得なかったか、
表情や言葉から、感情を読み取る

感情の後ろにある願い
・怒り・・今の状況を変えて欲しい
一番の怒りは変われない自分
それが転じて周りにぶつける
・悲しみ・・助けて欲しい、自分の不遇を分かって欲しい
・喜び・・もっと増やして欲しい、一緒に笑って欲しい
・怖い、辛い・・早く取って欲しい

こころの声を聴く、とは
相手の感情を表現や行動から読み取り、言葉で表現するのを手伝うこと

病気の痛みや苦しみ、死への不安、学校に行けない、みんなと同じ事が出来ない、
そんな子供達の気持ちを思うと辛くなります。大人でも同じ気持ちを持っている人はたくさんいます。
新型コロナによる自粛、制限で多くの方が不安、ストレスを抱えています。
医療の場ではなくても、近くにいる人が、問題を抱えた方の気持ちに耳を傾けることはできます。
ただ、感情は受容しても、行動を許容するのは別だそうです。
ダメなものはダメと伝え、やらなきゃいけない事はやる。

それは相手を守るためでもあり、自分を守るためのものでもあるのです。

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最後に参加者のみなさんから、広くみなさんと共有したいこととしていただいた感想をご紹介します。

・共感する気持ちを表すことが大切だと思いました。
・相手を見るときに、いろんな見方があると知ることができました。
・いろいろな事情により言語化が難しい方の感情を察する方法として「目」の動きに注目する方法があることを知りました。
・その人の行動、態度の裏には願いがあるという言葉がとても深く印象に残りました。
・子供だけでなく誰にも当てはまることだなといつになく感じました。
・言語よりも 表情や表現で伝わることが沢山あると感じました。
・我が子に対する今までやって来た自分の関わりについて反省させられました。ちゃんと向い合って傾聴出来てなかったと思います。今日のお話は子どもに対してだけでなく、どの年齢でも当てはまる事でした。