第66回〈暮しの中の看取り〉準備講座            

 人生100年時代

~認知症になっても『家で暮らしたい』を支えよう~

 

今回から3回連続で、広島県呉市の呉共済病院 多目的ホールを会場に現地とオンラインのハイブリッド開催!

多目的ホールには呉市の方を中心に近隣から、オンラインでは現地での参加が難しい呉市や近隣の方、関東圏からの参加も。

 

 

講師の藤元さんは、これまで介護施設や精神病院のソーシャルワーカーなど様々な立場でお仕事をされてきて、地域で暮らす認知症の方やご家族の相談や対応に乗ってこられた方。

その中でフォーマルな介護保険制度では対応できないけど『こんなサービスがあればこの方はまだ家で暮らせるのに‥』と感じることが増えてきて、2023年呉市ビジネスプランに応募。

見事、採択されクラウドファンディングで『家くら』を起業された方です。

 

そこまで藤元さんを駆り立てた現場でのモヤモヤとは…

・認知症の方本人やそのご家族のお話をゆっくり聴く!というサービスがない!

・既存の制度では、ご本人や家族のニーズに対応するのが難しい!

・施設に入所すると個別に楽しむ機会が少ない!

・介護保険の認定がない高齢者に対する支援サービスが少ない!

 

介護経験のある者にとってはどれもウンウン、そうだよなぁと頷くものばかり。

そして、そこの大事さって、これまで〈暮らしの中の看取り〉準備講座で話題にしてきたことで、くみサポでもそこをカバーできる場や人的ネットワークを拡げようと活動してきたところ。

その部分で起業された藤元さんをみんなで応援しなければ‼️とお話を聞いていました。

 

藤元さんのお話しは

・認知症になって生活のなかでこんなことが起こっても、家族やまわりの方がこんな風に声掛けや対応するといい方向に変わるきっかけになるよという事例を交え、認知症の症状やご本人の気持ちを紹介してくださいました。

 

・自分や家族が認知症になったらどこに相談したりやサービス受けられるかをあらかじめ知っておいて早めに利用や相談をしたり、食事のバランスやよく眠ること、笑うこと、脳トレなど生活面で工夫することでも進行予防できることを紹介。

・行政が進めている地域のサポーター:呉市では認知症サポーター(暖かい目で見守る)のほか、オレンジサポーター(直接支援を行うサポーター)、さらにはチームオレンジ(オレンジサポータと認知症の方などがチームを組んで地域で暮らす認知症の方やその家族のニーズに対して支援する仕組み)も紹介してくださいましたが、会場ではまだご存じない方もおられました。この動きがもっと広がってほしいですね。

詳しくはこちら→https://www.city.kure.lg.jp/soshiki/150/ninti-seikatusien.html

 

そして、藤元さんが立ち上げた『家くら』のインフォーマルな取り組み、

・既存の制度では実施できないサービスの提供

・シニア世代の孤立予防や認知症の進行予防

・一人暮らしの高齢者が安心して暮らせる地域つくり によって

実際に認知症の方が地域での生活を継続できた例をいくつか紹介してくださいました。

 

ポイントは、

  • 既存の制度や施設をうまく活用しつつ、それでは足りない部分を『家くら』のようなインフォーマルサービスを利用すること。
  • 地域で相談できる仲間を増やすこと
  • 人と交流したり楽しむ機会をつくること
  • 家族で協力体制をつくること

 

 

その後、参加者から今日から自分にもできると感じたことをお聴きしたところ、

■「私がなにかヘンなこと言ったり・気になる行動があったら言ってね」と笑って言いあえるような近所づきあいをしていく

 

■オレンジサポーターになりたいのでどうすればなれるか教えて欲しい

 

■古民家カフェをやってるけど、場所の提供ができるかも‼️使いますか?

 

など、新たないい関係の芽が出てきた呉開催シリーズの第1弾でした。

10月・11月にどんな新たな連携が生まれるか今から楽しみです。