第65回〈暮らしの中の看取り〉準備講座        

 認知症を体験して知ろう

〜VRゴーグルで当事者体験、気づくこと〜

 

今回の講座は、VRゴーグルを用いた認知症の体験。

シルバーウッドの黒田さんの進行で、広島会場と小金井会場をつないで、午前と午後の開催でした。

VRを体験することが初めて、という方がほとんど。

研修参加された方の多くから聞かれたのは、

「頭で考えるのと体感することは全然違う!」

今まで少なからず認知症の症状について知っていた参加者の皆さん。

しかし、その知識と体験では大きな違いがありました。 今回のVRで体験したのは

・車からおりる、という行動がうまく視覚的に認知できなくなると、まるでビルから飛び降りる感覚になること。そしてその時の介助者の声かけの違和感。

・幻視体験。見えているものが現実なのか、幻視なのか?

・認知症と診断された丹野さんの体験

 

どれにも共通していたのは、認知症だからできない、説明できない、言っても分からない、ではなく、その方が何を感じて、何を不安に、何をしたいと思っているのか、それを聴くことの大切さ。

それを知って、ではどうしたらいいのかを一緒に考えること。

若年性アルツハイマー型認知症当事者である丹野さんの
「サポーターでなくパートナーになってほしい」という言葉に集約されていると思います。

そしてレビー小体型認知症の当事者である樋口さんの「近視、遠視、乱視、幻視、というように幻視もその一つ」というユーモアのある言葉に、確かに!と会場では皆さんが納得。

私達はこの体験から他社へのまなざしが少し変わるかも知れません。

自分の行動を一歩立ち止まってみることができるような気がします。

ご参加くださったみなさま、当日の進行をして下さったシルバーウッドの黒田さん、ありがとうございました。

 

★☆★最後に、ご参加くださった方々からいただいたコメントをこちらにご紹介します。★☆★

●家族が少し認知にかかっている状態で、もう少し優しくなれたらいいなぁ、理解してあげなくちゃ。やらなくちゃと思いました。

●母が何を思っているのか?何を求めているのか、少し垣間見た気がしました。

●認知症のことを専門家として知らなくても、認知症だから特別扱いせず、自然に優しくなれる、関わり合いができる社会になれば。

●樋口さんの幻視を敬意と知的好奇心をもって聞いてほしという言葉が印象的でした。困っている人を助けてあげる、と思いがちな意識が一緒に取り組むパートナーという意識に変わる、はっとさせられる機会になりました。

●サポーターでなくパートナーになるという姿勢は、認知症に限らずあらゆる病気や障がいについて言えることだと思った。しかし、実践するのは簡単ではないとも思った。 できることから、見つけたものから実践していきたいと思った。