第44回〈暮らしの中の看取り〉準備講座は、
看取りをオープンに語ろう!
~IMADOKOを活用して今できる事を考える~
と題して、日頃考えたり、オープンに語る場が少ない「看取り」について考えました。
くみサポメンバーの鈴木は、家族が突然末期癌と診断され、先の見通しが分からず不安でいっぱいだった時に
〈暮らしの中の看取り〉準備講座に出会いました。
人生の最終段階の身体機能の変化を知る事で不安が軽減し、傾聴、ディグニティーセラピー、思い出ブックなど、
講座で習った事を実践し、介護する側、される側の言葉に出せない思いを汲み取りながらお看取りした経験を
お話ししました。
くみサポ代表の大井からは人生の最終段階における身体機能の変化、「現状確認ツール IMADOKO」を活用して
今の状態を把握すると、家族が今できることが見えてくるというお話しがありました。
家族としてできることを知ることは患者本人の苦痛の緩和のために役に立ちますが、
家族にとってもできることがあることは意味があります。
グループワークではいつもよりもたっぷり時間を確保して
・看取りについてどんなイメージを持ってますか?
・人生の終わり、死が近づいてきた時、どんなことを大切にしたいですか?
をテーマに語り合い、他の参加者の考えをじっくりと聴く時間を持ちました。
この講座でずっと大切にしてきた看取りを自分事として考える時間でした。
介護は介護する側の視点で語られる事が多いですが、見落としがちなのは介護される側の気持ちです。
まず、本人が困っていることは何か?に注目する事を忘れてはいけません。
普段なかなか口に出せない看取りについて、考え、語る事で、
看取りがこれまで抱いていたイメージと違ったものになったのではないか、と感じました。
最後に参加者からいただい感想や広くみなさんと共有したいというコメントをご紹介して
活動報告とさせていただきます。
・質の良い看取りには、やはりしっかりと時間をかけた傾聴が必要だということを改めて確認しました。
・聴くことができると聞いた本人も救われるということを実感しました。
・医療従事者が言う言葉は受け止める側がどう理解しているかを考えなくてはならないことを再認識した。
・医者の『(抗癌剤が)効く』と一般の人が思う『効く』とは差異があること、
担当医と深くコミュニケーションを取ることが難しいのは稀なケースではないこと。(医師)
・家族のお看取りで実践された事を、これから始まる母の看取りに取り入れてみようと思いました。
・親族ががんという方の質問に対しての専門医の回答や、また別の方の、現在受けておられる
抗がん剤についての質問への医師の考え等を、質問された方と同じ思いの中で一緒に聞かせて頂きました。
一つの問題に対する考え方や受けとめる時間を共有できたことで、参加していた多くの人が自分の方向を
見出せるという、グループ相談会のような貴重な体験でした。
・看取りをテーマにディスカッションさせていただきました。
自分自身は看取られる年齢になっていますが、兄が癌でなくなった時を想い出し、
看取りということを意識せず、弟として兄貴を勇気づけしていたのだなと思いました。
看取られる立場の人間が、看取る人の想いを元気なうちに自分の心の中に留めていれば、
穏やかな最期を迎えられると感じました。
・亡くなる前後を含めて看取りということ、お互いに話をする時間を作ることで、
少しでも「できた」と思えるようにしたい。
・実際には患者や家族が相談できる場所は少ないと感じました。
相談できる場所を多く用意する事も大事だと思いました。
・終末期の中でも末期癌、認知症など病気によってやれること、家族の対応などに違いがあるので
理解して確認することでよりよい看取りができることがわかりました。
他職種のみんなでその情報を共有できることが大切。
・家族ががんで余命宣告されて介護することになったとき、その当時なぜ私は一人で背負い込んでしまったのか
よくわからなかった。でも看取りの経験をじっくりと振り返ってみて、ようやくその理由が分かった。
家族が癌と宣告されて私自身も苦しいのに、周りからはあなたがしっかりしないと、と言われ続けたことが
その理由だったと思う。できるときにできることをすることで良いのだと思えたとき、そして相談できる場所が
あると知ってとても気持ちが楽になった。
・これからどうなるかわからない、何かしてあげたいけど何をしていいかわからないままで、本人の衰弱が進んでいくのだけは見て取れるのでは、家族も焦りばかりが募ってしまう。死が近づく中で、どういう変化があるのか、経過に応じて家族の立場で何をしてあげられるのか、を事前に知ることで、家族は落ち着いて経過を本人と共有できるようになる、と思いました。
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