今年で3回目を迎える介護レストランには、廿日市市の在宅療養中の方、サービス付き高齢者向け住宅や老人ホームなどの施設で生活する方なども含めて21名の方が参加申し込みをしてくださいました。
参加者の皆さんはこの日に備えて体調を整え、とても楽しみにして下さっていました。
参加を希望される方の中には気軽に外食ができない方や、摂食嚥下障害のため食事の形態を制限されている方が多くおられます。外食が気軽にできない理由もさまざまで、ほとんどが要介護者で車いすを使用される方です。
今回の介護レストランに参加するにあたり、参加者が誰と、何を食べたいのか、その希望をまずはじっくり聴くことから始めました。当日は家族、あるいは顔なじみの医療・介護スタッフが一緒にレストランに行って外食をします。参加者だけではなくご家族もこの久々の外食の日を楽しみにして下さっていました。
介護レストランをサポートするのは「はつかいち暮らしと看取りのサポーター(通称はつかいちくみサポ)」です。
くみサポのメンバーは、参加者の食事に関する情報を事前に収集し、それぞれの参加者に必要なサポートを実行委員会で繰り返し話し合い確認しました。食事の形態の工夫だけではなく、姿勢調整やそのひとに合ったテーブルや食器も必要です。豊富な専門職がそれぞれ得意分野を発揮して当日の準備をしました。
いつもよりも少しチャレンジしたいという参加者のためにも、事前にレストランを訪れて希望を叶えるためのサポートの方法を考えて当日に臨みました。
これはくみサポのメンバーの看護師3人が作成してくれたものです。普段おかゆを食べている参加者が「今日はお寿司が食べたい」と希望した時、私たちはそれをどうしたら叶えることができるのか、という視点で考えます。
残念ながら、数人の方は体調が悪化し実際に参加できたのは18名でしたが、十分に準備を重ねたおかげで当日は事故もなく楽しい食事の時間を過ごすことができました。
くみサポの大切なメンバーである一般市民の方々も、それぞれに役割を持って参加してくれました。
移動のために必要な大型介護車両の手配、送迎車からレストランまでの移動や店内のお買い物に同行、食事が楽しい雰囲気になるように場を和ませる役割、広報や当日の写真撮影、ここにもそれぞれの得意分野が発揮されました。
また、毎月恒例となった食事の困りごと相談コーナーはこの日もオープンし、4名の方が相談に来られました。
いつも通り、看護師や管理栄養士とともに一般市民も相談に応じました。
TSSの取材も同行してくださり、夕方のニュースで一部の方の食事の様子をご紹介いただきました。
参加者へのおみやげを毎年ご用意くださっている’’和洋菓子ながお’’さんからは、この介護レストランでのやり取りをきっかけに商品化された ”なめらか水ようかん” をいただきました。
(*夏季限定商品ですが、事前にご相談いただくとご用意いただけるようです。)
最後になりましたが、今回の介護レストラン開催にあたりご協力いただきました廿日市ゆめタウンのレストラン街のみなさま、協賛各社のみなさま、ありがとうございました。
12月1日の第25回〈暮らしの中の看取り〉準備講座では、これまで開催した3回の介護レストランをふり返り、これからの廿日市における食のバリアフリーを実現するために活かせるノウハウや課題をまとめてご報告するとともに、新しい介護レストランのカタチを考えます。
これからご自分のまわりで介護レストランをしてみたいという方、是非ともご参加下さい!
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